準備が整いましたらいよいよ仕込んでいきましょう。
今回は「自家製味噌の仕込み方」のご紹介です。
味噌作り工程の大まかな流れ
まず味噌づくりの大まかな工程の流れをざっと掴んでおきましょう。
- 大豆を洗って豆がぷっくりするまで(1晩以上)水につける(1日目 )
- 大豆を煮る(2日目 前半)
- 大豆を潰す(2日目前半)
- 麹の塩きりをする。(2日目前半 )
- 麹と大豆をまぜる(2日目 前半)
- 混ぜた物を丸めて容器に投げ入れる(2日目後半)
- 塩で蓋→ラップで蓋→秘訣→蓋をする(2日目後半)
- 10カ月~1年くらい放置(途中で様子を確認)
工程が多そうに見えますが実働は2~3時間です。
味噌作り 仕込み
出来上がりの味噌の量…おおよそ6kgくらいの量です。
私がいつも使用している野田琺瑯のラウンドストッカー21cmに丁度良い量になります。
大豆を洗って水につけておく
大豆を水で洗い大きめのボウルに入れ、たっぷりの水を注ぎます。
大豆に水を浸透させるため、全ての粒がぷっくりと大きくぱんぱんに膨らむまで漬けておきましょう。
一晩とよく言われますが、時間よりも豆の状態をよく見て豆の声を聴きましょう。
乾燥大豆は驚くほど大きくなる(3~4倍)ので、大きな容器にたっぷりの水を入れてください。
また、水につけると泡のようなブクブクが出ますが心配しなくても大丈夫です。
大豆を煮る
圧力鍋で大豆を煮ます。
大豆の量が多いため1回では全て煮ることができません。
3回に分けて煮ていきます。
圧力鍋に1/3量の大豆と水を入れ強火にかけ、沸騰してシュルシュルいってきたら弱火にして1分。
そのまま圧が下がるまで放置します。
圧が下がったら大豆の煮あがり具合を確認しましょう。
目安は、指で豆をつまんで簡単に潰せる柔らかさになっていることです。
大豆を食べてみて、硬さがなく美味しいと感じれば大丈夫です。この時美味しいと感じる大豆でしたら味噌も美味しくなりますよ。
麴と塩を混ぜておく
大豆を煮ている間に麹と塩をよく混ぜておきます。
特に固まっているタイプの乾燥麹の場合はよくほぐして混ぜておきましょう。
ちなみにこの工程を「塩切り」といい、できたものを「塩切り麴」といいます。
大豆をつぶす
圧力鍋の圧が下がったことを確認したら大豆を取り出します。
その時できるだけ煮汁は切るようにして下さい。水分が少ない方が失敗も少ないです。
大豆が温かいうちにビニール袋に入れていきます。
全て入れ終わったら袋の中の空気を軽く抜き、大豆を潰していきます。
潰し方はどのように行ってもよいのですが、私は足で踏んでがんがん潰していきます。
うどんを捏ねる工程で足踏みする様子を見たことがあると思いますが、丁度あのような感じです。
冷めると潰れにくいのでとにかく踏み踏みし、途中で目視して粒が残っていたら指で潰したりしながら
満遍なく潰れるようにします。
好みではありますが、大豆がペースト状になっていなくても構いません。
出来上がりの味噌に粒感が残るだけのことで、これがまた美味しかったりします。
大豆と塩切りした麹をまぜる
大豆がだいたい潰れたら塩切りしておいた麴(1/3量)と混ぜていきます。
この時大豆の温度が人肌になっていることを確認しましょう。
アツアツ過ぎると麹菌が弱ってしまいます。
ここまでの工程を3回(1/3量ずつ行っているため)行います。
大豆を踏み踏みしている間に第2陣の大豆を煮始めておくと丁度良い塩梅に工程が進みますよ。
混ぜた物をボール状に丸めて容器に投げ入れる
混ぜた物を取り出してボール状にします。これを味噌玉と呼びます。
ハンバーグを作る時のようにぱんぱんと空気を抜き丸めていきます。
味噌玉ができたら予め消毒しておいた容器に投げ入れていきます。
ぱんぱんする理由は、仕込み中に空気が入っていると腐敗する原因になるため空気を抜いているのです。
容器の一段目くらいまで入れたら上から手で押さえ、隙間ができないように平らにします。
手でギュッギュッと押し空気を抜きます。
これを繰り返し、全ての味噌玉を保存容器に入れていきましょう。
塩で蓋→ラップで蓋をする
全ての味噌玉を入れ終えたら、カビ対策に表面に塩(分量外)を軽く振っておきます。
表面がうっすらと白くなる位。
容器の内側の側面を焼酎または消毒用アルコールを含ませたキッチンペーパーなどで拭き、側面についている味噌玉の汚れを丁寧に拭き取ります。
汚れが残っているとカビが生える原因になるため、ここはしっかりと拭き取りましょう。
綺麗になったところで上からピタッと密着するようにサランラップを被せます。
隙間ができないように密着させられるとよいですが、塩を振りかけた部分はくっつきにくいのであまり神経質にならなくても大丈夫です。
気になるようでしたら適量の塩をビニール袋にいれて作った重石を中央辺りに置いておくとよいでしょう。
私はしたことはありませんが、カビが生えたこともありません。
秘訣登場
ここで秘訣の登場です。
秘訣はズバリ
「ワサビ」。
スーパーなどでよく見かけるあのチューブ状のワサビで十分です。
これはカビ対策として使用しています。
これをトレイなどの皿状の上にうにょうにょと出し、先ほどサランラップをした味噌の上に置いておきます。
ワサビには殺菌効果があると言われていますが、この秘訣を行うようになってからは全くカビが生えなくなりました。
お薦めですよ。
カビが心配で味噌作りを避けていた方がいらっしゃいましたら、ぜひお試しあれ。
10カ月~1年くらいお休みしてもらう
味噌が熟成し食べ頃になるまでの間、約10か月程度、風通しのある冷暗所に置き常温で保管します。
保存する場所は、直射日光が当たらない、空気がこもらない、温度湿度変化の少ない場所が適しています。
家によって適している場所は違ってきますので探してみましょう。ちなみに私は北側の食品庫の床に置いています。
天地返しは必要?
結論から言うと必ずしも必要というわけではありません。
味噌づくりのレシピなどで時々見かける「天地返し」という言葉。
天地返しとは発酵中の味噌を取り出して再度混ぜ、味噌の発酵の`むら‘を避けるために行う工程をいいます。
大量の味噌を大きな桶などで一度に作るのならば天地返しは必要ですが、ご紹介している作り方の場合は量も少ないですし、この工程はなくても十分美味しい味噌を作ることができます。
味噌作り 失敗しない秘訣 仕込み編のまとめ
私が続けてきた味噌の仕込み方をご紹介しました。
カビを防止するために「ワサビ」を使用すると効果絶大です。少なくとも私はカビに出会わなくなりました。
日本の昔からの伝統的な発酵食「味噌」。難しそうな印象があるかもしれませんがやってみると意外と手軽に作ることができます。そして何より美味しさ格別です。
ぜひ手作り味噌を愉しんでみてください。
簡単なのに想像を超えるおいしさの菊芋レシピ、おすすめです。
自家製味噌も簡単なのにとっても美味しいですよ。
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