トコロテンの材料である天草(テングサ)。海に行くと磯に打ち上げられていることがあります。
この天草から作るトコロテンは売り物のトコロテンとは別物です。しっかりとしたコシと心地よい歯ごたえ、そして何よりも旨みが強くて本当に美味しい。
この美味しいトコロテンを食べるためには少々手間と時間がかかりますが、大変だと感じるのは下準備の天草の処理で、ここを乗り切ればあとは簡単です。
まずは天草を下処理するところまでをご紹介します。
おいしい天草を海から採ってくる
今まで色々な時期の天草でトコロテン作りを試みてきた結果分かった大事なことは、質の良い天草を採ってくることです。
時期で言うと早春の頃のものが軟らかくておすすめです。海に出掛けるのは夏が多いかと思いますが、その時期に磯に打ち上げられている天草は硬く、また腐敗している場合も多いためやめておいた方が無難です。
色も綺麗なものを採りましょう。濃い赤紫色のものがおすすめです。
茶色や白に変色しているものは味が落ちます。
せっかく時間をかけて煮だしてみても、固まらなかったり美味しくなかったりすると心底がっかりしますので、ここは本当に大事です。
天草をよく洗う
晴天が続く日を狙って作業を開始します。
ゴミなどを洗い流す
天草が用意できたら水でよく洗います。天草に付いているゴミ、エビなどの小さな生物をじゃぶじゃぶ洗いながら落としていきます。水を替えて綺麗になるまで3~4回繰り返します。
我が家では多めの天草を一気に洗いたいのでタライを使用しています。大容量なのでガシガシ使うことができて使い勝手もよいのですが、場所をとることが難点です。あと、水を捨てる時も重い…。
最近は折りたためるタライもあるようで、こちらなら水抜きも便利そう。そろそろ購入を検討しています。
白い石灰質を取り除く
天草にこびりついている白いものを取り除いていきます。この白いものは石灰藻が付着したもので通称「カキ」と呼ばれています。
成分的に体への害はなさそうですが、この後のトコロテン作りの調理の際煮だし成分を抽出していく時にこの石灰質のカルシウム分が邪魔をし、トコロテンを固まりにくくする作用があるようです。
この取り除き作業が地味に1番大変ですが、頑張ってきれいに取り除いていきましょう。経験的に最初に全部取り除いてやろう!と張り切ってしまうと疲れますので、洗って干す工程を繰り返す途中途中で取り除いていくとよいですよ。
天日に干して乾かす
日がよく当たる場所に洗った天草を広げ、天日干しします。
我が家ではテラスがとても日当たりがよいので、洗い終わった天草を全てテラスに広げて干します。
始めのうちは朝干して夕方にカラカラに乾いた天草を取り込んでいましたが、最近では時短のため翌日までこのまま放置しています。
翌朝、取り込んだものをまたすぐにじゃぶじゃぶ洗って干す。この繰り返しです。
何度か繰り返すうちに赤紫色の天草から色が抜けて黄緑色の綺麗な天草に変わっていきます。これは天日にさらされることで起こる現象のようです。
我が家ではだいたい3回くらい「洗い→干す」を繰り返します。
完成です
おおかたの天草の色が黄緑色に変わっていたら完成です。カラカラに乾いた天草を取り込み、厚めの保存袋に乾燥剤と一緒に入れておきます。
天草に赤紫色が残っていても大丈夫です。試しに赤紫色の天草ばかりでトコロテンを作ってみたことがありますが、黄緑色の天草で作るトコロテンと味の差は感じられませんでした。特別に磯の香りが強かったり味に癖があったりということもなかったです。
これで天草の下準備は終了です。ここまでできていればあとはいつでも美味しいトコロテンを作ることができます。
なかなか天草を海まで採りに行けない方はこちらもお勧めです。
後編ではいよいよ天草から美味しいトコロテンを作り食すまでをご紹介します。
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